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車椅子のメンテナンス不良及び不実施において起き得る事故や不具合の例

※車いす安全整備士養成講座にて使用している標準型車椅子点検表に基づいた考察です。

以下の内容は、使用前点検や継続使用における定期点検、並びにメンテナンスで回避できる不具合や事故です。 この内容以外にも、介助方法を含む適切な使用方法、車椅子利用者と車椅子の適合、シーティングによる姿勢保持など、「安全」である車椅子を「安心」して使用するために必要な要因は複数あることを踏まえたうえで、ご参考にしていただければ幸甚です。

共通項

亀裂、溶接外れ

  • 構造物としての破損による転倒
  • 破損した箇所に触れることによるケガ

ボルト・ナットの緩み

  • 部品の分解による転倒
  • ブレーキなどの機能不全による事故

消耗(ねじ、ゆるみ止めナット、スプリングワッシャー、ワイヤ、ゴム、樹脂等)

  • 分解や機能不全による事故

折りたたみフレーム

  • 緩みを放置することで、ねじ穴の拡大によるパイプの折損
  • ねじ穴拡大放置によるパイプの折損
  • 知識並びに技術のない不適切な締め付けによる動作不良、樹脂ワッシャ変形によるガタツキを促進、金属ワッシャによる削れとサビ発生
  • 歪みによる、予測しない進行方向への強制誘導

背折れ金具

  • 折りたたみ不全
  • キャスタアップ時に固定が外れることによって引き起こされる操作ミス及び事故

アームサポート

  • アームパット取り付け不良(固定不備)のまま継続使用による、ねじ穴拡大及びパイプの折損
  • 乗り降り時の体幹を指示しているパッドのぐらつきによる転倒
  • サイドガード破損部によるケガ
  • サイドガード固定箇所破損による衣類の巻き込み

フットサポート

  • プレートの損傷による人体下腿部の裂傷や擦過傷
  • ウェッジ式ボルト緩みによる使用中の車椅子自体のつまずきによる前方転落
  • ウェッジ式ボルト緩みによる車椅子移動中の脚部落下と足の巻き込み
  • 板バネ劣化や貫通式固定ボルトの緩みによる、降車時の転倒

シート・バックサポート・レッグサポート(ヒールループ)

  • 固定ネジのバリによる裂傷や衣類破損
  • レッグサポート不使用による、脚部落下と足の巻き込み、車椅子方向転換時のキャスタと踵との接触
  • 使用中のレッグサポート外れによる、脚部落下と足の巻き込み、車椅子方向転換時のキャスタと踵との接触
  • 汚れ除去として流水による丸洗い及び天日干しによるパイプ内雑菌繁殖による異臭発生、金属サビの発生、並びに可動部に異物のこびりつきによる動作不良
  • 座面シートの伸びによる姿勢不良やひざ内側圧迫による褥瘡の危険性

キャスタ

  • キャスタ輪の劣化による加水分解などを起因とする分解破損
  • キャスタ車軸のゴミ及び潤滑剤塗布によるベアリング破損を起因とする回転不良
  • キャスタフォーク(樹脂)劣化による破損によって転倒
  • キャスタフォーク(金属)変形による予測しない進行方向への強制誘導

駆動輪・主輪

  • 空気圧不足による移動負荷増加、突起物が刺さりやすくなることでのパンク、段差乗り越え時のリム打ちによるパンク
  • 車軸固定の緩み、ダブルナット構造の理解のない増し締めによるベアリング破損による回転不良
  • スポークの不均等な張りによる駆動輪の変形からの車輪破損と転倒
  • ハンドリムの傷への接触による手指のケガ

駐車用ブレーキ

  • 乗り降り時の静止力不足を起因とする臀部からの落下による圧迫骨折や頭部への打撲
  • ラップの芯を使用した簡易延長ブレーキ使用時の前方落下による顔面打撲

制動用ブレーキ

  • インナーワイヤー劣化の伸びによる制動力不足による事故
  • 不適切なインナーワイヤーへのアプローチ(ペンチの使い方含む)によるインナーワイヤーのちぎれと、その箇所に触れることで起きる刺し傷
  • 不適切な端末処理によるサビの促進と、その箇所に触れることで起きる刺し傷

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上記事故を回避するためのメンテナンス方法を知りたい方は、「車いす安全整備士養成講座」をご受講ください。